2009年8月14日、鶴岡信用金庫本店にて【
内川学】と題された講座が開催されました。連続講座の第1回目は「内川と文学」。川端に生まれ育った田澤稲舟に焦点を当てます。
このヒトが【
田澤稲舟】(たざわ・いなぶね)。鶴岡出身の女流作家です。
樋口一葉(千円札!)と同世代で、ライバルと言っても過言ではない存在だったにもかかわらず、余りにも知られていないのがザンネンです。
内川の向こうに見えているビルが、会場となる鶴岡信用金庫本店。
玄関をくぐると、「きっき」と「くぅ」がお出迎え。鶴岡出身の絵本作家
つちだよしはる氏がデザインした、鶴岡信用金庫のキャラクターです。
後ろに貼ってある「内川学」ポスターの、真ん中の少し上に舟らしきモノが。ズームして見ると、、、
あっ、コレは一昨年の夏の「
内川再発見プロジェクト1」の際、ウチの娘を舟に乗せてテスト運行した時の写真だ!懐かしい(^_^)
会場となる7階研修室からは、内川や山並みを一望できます。一番右側、駐車場の向こうの建物が、昨年の
内川再発見プロジェクト2:映画特集でお借りした鶴岡魚市場です。
今回のタナカの役割は、稲舟の詩の朗読に音楽をつけること。《
心のやみをばてらさずて 物おもはする月にうたふさんげのひとふし》と題された七五調の詩は、山田美妙と離婚して鶴岡に帰郷した頃に書かれたもの。若干21歳の作とは思えぬ流麗な美文です。
タナカのイメージは、同じく夭折した明治の天才・滝廉太郎の哀切なメロディに始まり、フォーレ、バッハを経て、ヘンデルで透明な明るさに昇華させる、というもの。朗読の國井美保さんとのコラボでした♪
さて、稲舟研究の第一人者・細矢昌武さんによる講演では、鶴岡の旧町名や小路(こうじ)、稲舟と小学校で同期だった
田中一貞も紹介されました。慶応義塾図書館の初代館長であり、日本図書館協会会長も務めたヒト。『世界道中かばんの塵』なんて洒落た著作もあるようで、読んでみたいなぁぁ♪
会場全体での意見交換では、参加者それぞれの立場から「内川愛」に満ちた提言がなされ、盛り上がりました。
タナカも、
阿部武雄ゆかりの料理屋「松露庵」を紹介しておきました(^_^)
<新聞記事>
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山形新聞2009.8.14付「田沢稲舟にスポット当て 鶴岡で連続講座・内川学」
<稲舟の文に触れるには>
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青空文庫:田澤稲舟「五大堂」